夜、スマホでSNSを見ていると「スキマ時間に、スマホだけで稼げる」という広告が流れてきます。気になって開くと、LINEの友だち追加をすすめられました。このまま進んでいいのか、手が止まります。
この記事では、副業の詐欺や高額な講座を見分けるポイントを説明します。お金を払う前のチェックリストと、払ってしまったときの相談先もまとめました。制度や窓口は、消費者庁と国民生活センターの情報をもとに書いています。
「スマホで簡単に稼げる」っていう広告、よく見るんです。気になるけど、本当なのかなって…。
開く前に、見分けるポイントを知っておきましょう。払ってしまったときの動き方も、順番に紹介します。
- 副業の誘いで、よく使われる言葉と警戒サイン
- ライターの仕事で「先にお金」の話が危ない理由
- お金を払う前のチェックリスト
- 払ってしまったときの相談先と、クーリング・オフの手順
よくある誘い文句と、警戒したいサイン
消費者庁や国民生活センターには、副業をめぐる相談が多く寄せられています。注意喚起を読むと、誘い文句と、その後の流れには共通点があるのです。
| 誘い文句の例 | その後に起きやすいこと |
|---|---|
|
|
|
|
| 儲けが出なければ返金保証 | 稼げずに相談すると、少額の返金で解約するよう求められた例がある |
|
|
表の1行目のように、スマホの簡単な作業で稼げるとうたう「タスク副業」は、相談が増えています。国民生活センターによると、2024年度(7月末まで)の平均の契約・購入金額は約106万円でした。相手から請求された費用なども含めた金額です。最初は1回100〜200円ほどの報酬でも、最後に大きな金額を求められることがあります。
「簡単」「高額報酬」を強調する
消費者庁は「簡単に稼げる」副業はないと呼びかけています。「簡単」と「高額報酬」がそろった話は、まず疑ってかまいません。
お金をもらうはずが、先に払う話になる
稼ぐための話なのに、教材代やサポート代を先に求められる。この流れは、多くの注意喚起に共通しています。
やり取りの場所と、話の中身が変わっていく
広告からLINEへ、LINEから電話へと、相手と話す場所が移っていきます。その途中で、最初に見た仕事とは別の副業をすすめられた例もあります。
借金やアプリの導入、記録の削除を求める
次のような指示が出たら、その時点で止まりましょう。
- 消費者金融で借りて払うよう、すすめられる
- 振込先に、個人名義の口座を指定される
- 「説明のため」と、画面共有(遠隔操作)アプリを入れるよう言われる
- それまでのLINEのメッセージを消すよう言われる
LINEで丁寧に教えてもらえると、つい信じちゃいそうです。
相手が丁寧かどうかでは、見分けられません。先にお金を求められる、話が途中で変わる、上のような指示が出る。どれかがあれば、いったん止まりましょう。

「仕事を紹介するから、先に払って」は要注意
ライターは、記事を書いて納め、報酬を受け取る仕事です。それなのに、仕事を始める前にこちらが払う話が出たら注意しましょう。
「仕事を提供するので収入が得られる」と誘い、仕事に必要だと商品などを買わせる取引です。特定商取引法で決まりがあります。
消費者庁の説明では、研修を受けて入力の在宅ワークをする形も例に挙がっています。
2025年12月には、在宅ワークの求人をめぐる注意喚起も出ました。流れは次のとおりです。
- 「完全在宅」「未経験OK」のデータ入力の求人に応募する
- 面接で「データ入力は、今はAIがやるので稼げない」と言われる
- 別の「WEBマーケティング」の仕事をすすめられる
- そのためのコンサル契約(44万円や52万8,000円)を結ぶ
- 説明どおりの収入は得られない
それ自体は、悪いことではない
「すぐ元が取れる」とセットの話には気をつける
講座をすすめられたときも、次のことを書面で確かめてから決めましょう。
- 受けられる内容
- 総額
- 解約や返金の条件
仕事をもらうために、先にまとまったお金を払う。この形の話が出たら、いったんそこで止まってください。
お金を払う前のチェックリスト
申し込む前に、次の項目を確かめましょう。1つでも当てはまったら、その場では払わないでください。
- 「簡単」「必ず稼げる」「月○万円が当たり前」と言われていないか
- 仕事をもらうために、先にお金を払う話になっていないか
- 広告や求人と、いま説明されている仕事が変わっていないか
- 借金や、クレジットカードでの高額な支払いをすすめられていないか
- 振込先が、個人名義の口座ではないか
- 画面共有(遠隔操作)アプリを入れるよう言われていないか
- 「今だけ」「あなただけ」と、その場で決めさせようとしていないか
- 何を受けられるのかや、解約・返金の条件を、書面で確かめられない
当てはまらなくても、安全と決まるわけではありません。内容や条件がわからないときは、払う前に相談しましょう。
やり取りの記録は、消さずに残しておきましょう。
- 元のメッセージやファイルは、消さずに残す
- 画面の画像(スクリーンショット)でも保存する
- 撮り方がわからなければ、まずは消さないことだけ守って相談する
- 相手の名前や電話番号も、メモしておく
もし払ってしまったら、恥ずかしくて誰にも言えないかもしれません…。
だまされたのか、まだわからない段階でも相談できます。次の章で、窓口と手順を見ていきましょう。
払ってしまった・契約してしまったときは
一度振り込んだお金は、取り戻すのが難しいと消費者庁は伝えています。だからこそ、気づいた時点ですぐ動くことが大切です。
まずは消費者ホットライン「188」へ
「188(いやや!)」に電話すると、近くの消費生活センターなどを案内してもらえます。相談は無料です。ただし、通話料はかかります。土日祝日も、年末年始などを除いて原則として利用できます。
契約書、申込みの画面、メッセージの記録、振込の控え
そろっていなくても、まず相談してください。警察相談専用電話「#9110」も、相談先として案内されています。
クーリング・オフは、取引の種類で日数が違う
クーリング・オフは、決められた期間なら契約をやめられる制度です。ただし、使えるかどうかと日数は、取引の種類で違います。
← 横にスクロールできます →
| 取引の種類 | どんな取引か | クーリング・オフ |
|---|---|---|
| 自宅に来た人や、電話の勧誘で申し込んだ など | 8日間 |
| 業務提供誘引販売取引 | 「仕事を提供する」と言われ、そのための商品などを買った | 20日間 |
| 通信販売 | ネットの広告などを見て、自分から申し込んだ | 制度なし |
日数の数え始めは、法律で決められた書面を受け取った日です。このほかにも対象の取引があり、条件によって使えない場合もあります。ネットの広告から始まった話でも、注意が必要です。
電話勧誘販売にあたることがある
期間を過ぎてからできることがある
期間を過ぎてからできることがある
どれにあたるかは、自分で決めずに188で相談しましょう。
クーリング・オフの手順
使えるかどうかと通知の方法は、188で確かめてからにしましょう。契約書面がない場合も、そのまま相談できます。
- 契約書面で、通知を送る先と方法を確かめる
- はがきなどの書面か、メールなどの電磁的記録のどちらかで通知する
- 契約した日、名前、商品名、金額、通知を出した日を書く
- はがきは両面をコピーし、特定記録郵便や簡易書留で送る
- メールや専用フォームなら、送った画面をスクリーンショットで残す
- クレジット契約をしているときは、販売会社とクレジット会社の両方に送る
- 送った記録と書類は、少なくとも5年間保管する
「お金を取り戻せます」という話にも注意
被害に遭ったあと、「返金を手伝う」と近づいてくる話もあります。消費者庁は、被害回復をうたう二次被害にも注意するよう呼びかけています。返金の話を持ちかけられたら、そこでも払わずに188に相談しましょう。
まとめ
- 「簡単に高額報酬」をうたう話は警戒する。返金保証があっても安心と決めない
- お金をもらうはずが先に払う話になったら、その場で止まる(ライターの仕事も同じ)
- 払う前にチェックリストで確かめ、やり取りの記録は消さずに残す
- 払ってしまったら、すぐに188へ。クーリング・オフの日数は取引の種類で違う
- 「お金を取り戻せます」という話にも、お金を払わない
迷ったら、払わずに持ち帰る。それだけで防げることは多いですよ。支払いや契約で気になることがある方は、まず相談を。準備を進める方は、次に副業の税金を見ていきましょう。
チェックリストを、スマホに保存しておきます!




